Gretsch Black Falcon Double Cutaway 7594B 光の鷹舞い降りる時
マサトミです。
去る2021年5月25日漫画「ベルセルク」の作者三浦健太郎先生が急性大動脈解離にてお亡くなりになりました。心よりお悔やみを申しあげます。
「ベルセルク」は多くの謎、伏線を残したまま未完となってしまいました。一読者としては続きが読みたい。。。続きが描かれるという噂もあり期待したいところです。
さて、今回のギターは紹介、というか自慢ですw。
Gretsch Black Falcon Double Cutaway 7594Bです。White Falconは「世界一美しいギター」として有名ですが、近年では色違いモデルも存在します。しかしこのモデルは92年製で、当時のカタログには掲載されていませんでした。
当時ギター雑誌の白黒ページの小さい楽器屋さん広告に掲載されていたことがあり「これなんだろう?」と思ってました。
94年頃と思いますが、ある時ふらっと楽器屋さんを覗いたら、見慣れないGretschがあるじゃないですか!Outlet扱いで、店員さんによれば「倉庫(?)で眠ってたから引き取ってきた」「本当の新品ではないのでOutlet」「色は試しに塗ってみたのであろう。そういうことはある」とのこと。
ハードケースには経年感があり、Bigsbyのバネが欠品でした(バネは純正でないものをおまけで付けてくれました)。色については確かにFender Japanでもカタログにない色のモデルを楽器屋さんで見たことがありました。今で言うFSR(Factory Special Run)ですね。
そんな一品物のレア感も手伝って、もう一目惚れですw。
定価に比べたらかなりお安くて次回来店時は無いかもしれないと思うと我慢できず、閉店間際でしたが無理無理ローン契約してもらいそのままお持ち帰りしました。
それでは闇の鷹(ホントは隼w)を見ていきましょう。
Falconのトレードマーク、微妙な隼?のイラストが素敵です。ちなみにFalconは訳すと隼です。ずっと鷹だと思ってましたが鷹はHawk、鷲はEagleでしたね、そういえば。あれ?ファルコニア??
他の機種と同じくメイプルボディ、メイプルネック、エボニー指板のフルアコです。違いはネックスケールで他機種はミディアムスケール、White Falconシリーズはロングスケールです。そして見ての通りBigsbyがあるので、弦が届くギリギリの長さです。ダダリオを使ってますが、3、4弦はカットしてないと思います。
ピックアップは当時のセラミックマグネットFilter Tronです。最上位機種ですがまだTV Jones登場前ですからね。
コントロールはピックアップセレクタSW、右上がマスターボリューム、右下は各ボリュームとマスタートーンです。
内部構造は後ほど。
重さは4kg。この頃のGretschはガッチリとした作りなのでそれなりに重いです。現行はもっと軽いようですね。
ブリッジは当時標準的に採用されていたローラーブリッジです。弦が乗る部分が滑車のようになっていて回転することでBigsby使用時のチューニングの狂いを防ぐ構造です。また、側面のネジで横方向のガタつきを無くすことができる構造になっています。
結構凝った構造で高級感を出す意図と思います。ただコマに若干ガタつきがあって弦が外れやすく、写真では上下(前後?)をひっくり返してこれを防いでいます。ブリッジ台は、これも当時全機種同様に固定されていません。
Falconシリーズの特徴のある大きめのヘッドです。これにバーチカルロゴの入ったモデルもありますが、マサトミはこっちの方が好きです。 ロゴとトラスロッドカバーのラメがスゴイですねw。
そしてこのバインディング!世界一美しいと呼ばれる所以、かどうかは判りませんが、横から見た時のゴージャス感がスゴイ!この角度めちゃカッコ良くないですかw。
いつもの真横から。。。
どーですか、奥様!ちょっとしたパーティーのお供にいかがでしょうかw。
Fホールにも薄めですがラメが貼ってあります。
反対側です。。。後述しますが、このアームを見ておや?っと思った貴兄は、かなりのマニアですw。
ネックのバインディングも同じラメです。 ヘッドの横まで繋がっています。
内部のラベルです。White Falcon Double Cutawayは7594です。そのBlackなのでBかと。シリアルは先頭の92から92年製、ーの後ろが号機と思われますが、なんと1桁です。(すいませんが号機は念のため内緒にしておきます)
。。。今で言うFSRのような、と書きましたが、このラベルを見るとひょっとして輸出モデルだったのかもしれませんね。しつこく検索すると、海外で数件ヒットするので、その可能性もあります。
さて、写真では美品に見えますが、過去大後悔の大失敗をやらかしています。夏場にスタジオで使用してろくに拭かずにハードケースに入れて、諸事情によりそのまま二週間ほど放置してしまいました。。。その結果。。。
キャー!錆で酷いことに!直接手の汗がかかったと思われるブリッジ側ピックアップとアームは酸化により所謂「緑青(ろくしょう)」と呼ばれる緑色のブツブツが。。。フレットもガリガリ。
ショックで愕然としつつ、綺麗にできないかと金属ミガキを使って金メッキを磨くという愚行によりいよいよ取り返しのつかない状態にしてしまいました。若気の至りですね。
知ってる方も多いと思いますので自戒を込めて書きますが、金メッキは弱いので、金属ミガキを使うと金色が落ちて下地の銀色(ニッケル?)が出てきます。元には戻せないので、意図的に行うのでなければ絶対にやってはいけません。
乾拭きか、研磨剤の入っていないクリーナーでほどほどに綺麗にすることをお勧めします。金メッキの状態を維持したければ、まめなお手入れが必須です。
マサトミがやらかした使用後の放置も、ケースに入れっぱなしでなく出しておけば随分違ったのではないかと思います。
ちなみに最近は乾拭きしてフェルナンデスのSurface Protectorを使っています。
その後どうしたかというと「そのうちパーツ全交換しようかな」「でも結構費用かかりそうだな」と思いながら20年以上そのままでしたw。まあ興味も無くしてましたし。
で、このブログを始めた頃に最も状態の悪かったブリッジ側ピックアップとアームをネット購入して交換しました。この時Bigsby純正のワイヤーアームを購入したのですが、以前は横から見ると真っ直ぐだったのが、今は立体的にカーブした形状に変更されてました。見た目はカッコいいのですが、アーミングとケースに入れるのに下に向けるには前の方が良かったような。。。
その他の箇所は記憶のイメージよりダメージは少なく、できる範囲で綺麗にしました。通常の使用感なら気にしないので、もう美品と言える状態で満足です。
。。。ながっ!長文になってしまいました。いやー、なんとなくやらかした写真は入れたくなくて後悔の禊ぎのようにつらつらと。。。
更にこれも蛇足ですが。。。
メンテのためにピックガードを外しました。ゴムで浮かせてありました。
で、このゴム、経年でピックガード裏側の金塗装がくっついてしまいます。
ピックガード裏側。黒っぽく輪っか状に見えるのは 金塗装が薄く剥がれた跡です。
表から見るとこんな感じ。
剥がれを防ぐように紙を入れてみました。今でも構造は同じだと思います。購入したばかりの新品であればまだ救えるかもしれませんね。
ブリッジ側ピックアップを外したところです。ピックアップ高さ調整ははお馴染みのスポンジですね。
内部のブレーシングがちょっと見えます。
fホールから。この構造はワッフルブレーシングというそうです。ボディ真ん中の前面、背面両方に補強が入っています。背面側のワッフルのように見える補強板からのネーミングでしょうか。
前面側の内側は平らですね。ところどころ切れ目(?)のように見えるので、接着面側はワッフル状かもしれません。
ブリッジ下あたりに魂柱が立っています。
別の角度です。魂柱を正面から撮るのを忘れてしまったので、幅が少しでもわかるように。まあ想像する程度の幅で特別幅広なわけではありません。
★ Black Falcon Double Cutaway 7594Bの音
いきなりですが、極論Gretschはどれも似たような音ですw。材質とピックアップが同じですからね。でも構造の違いで6120-60とはちょっとだけニュアンスが違います。全長の長さからハリのある音になりそうですが、こちらの方がちょっとだけ甘い、丸い音です。6120-60はもっと箱に弦を張ったようなパキッとボワッとした音ですが、厚いブレーシングによるボディ構造の違いでソリッド寄りになっているためではないかと思います。
このギターはFilter Tronの交換はしないつもりです。比較的パワフルな音が見た目のイメージにもマッチしてるし、6120SSUもあるので違った音の方がいいかなと。それに主な用途は観賞用ですしw。
それではまた次回。
※ご紹介したギターの改造はなんらお勧めするものではありません。ご自身のギターの改造はくれぐれも自己責任でお願いいたします。
Squier Vintage Modified Mustang 気絶するほど悩ましい
マサトミです。この記事を書いているのは2021年4月です。2020年から始まったコロナウイルス感染被害はいまだ収束せず、自粛ムードは継続中、ワクチン接種が始まった頃です。このブログもあまり出掛けられないこともあって、自宅でギター弄りに勤しんでるという面もあります。
早く元の生活に戻りたいですね。
さて、ムスタングです。我が国でムスタングといえばCharさんです。ジャッ、ジャッ、ジャッ、、ジャッ、ジャッ、ジャッ、、Smoky〜♪ですね。。。
。。。な〜んて、実はちゃんと聞いたことがないです。スイマセン。世代で言えばPink Cloudなんですがまあ縁が無かったというか。
じゃあなんでムスタングかというと、ムスタングというギターそのものに興味があったんですね。
ショートスケール、ダイナミックトレモロってどんな感じ?と昔から思ってました。息子クンが中学の頃「ギター弾きたい」というので、「そうか、そうか、でもまだ体も小さいし弾きやすいギターがいいよな〜、しょーがないな〜、ムスタング買ってやるよ〜」なんて大きな独り言を呟きながら購入しました。
あまり金をかけず、慣れるまでキズついてもいいように、ということもありSquierです。
Squierのくせに(?)意外とカッコいい。4〜5年前ですが、この頃Vintage Modifiedというシリーズがあり、ムスタングに限らずどのモデルもいい感じの仕様だったと記憶しています。
拾い物ですが仕様一覧。
ボディはバスウッド、ピックアップはダンカンデザイン、ブリッジはサドルの高さ調整可能になってます。
このムスタング、結局息子クンは大して弾かずに中学を卒業、購入当時はマサトミもまだギター熱再燃前だったので、あまり活躍することもなく。
その後、高校に進学と同時にめでたくバンドで使い始め、マサトミも同時に再燃し現在に至ります。
ムスタングはネットで調べるとダイナミックトレモロの調整が重要だそうな。テールピース部はちょっと高めがいいらしい。これとは別にブリッジ部はちょっと課題があり、サドル前後に壁があるのですが、テールピース部が低いとこの壁に弦があたります。調整によっては同時に解決できそうです。
上のブリッジサドルは、オリジナルは個別に高さ調整できませんが、 改良版になってます。
弦を外すと、こういうふうにブリッジが外れます。両側イモネジ先端は尖っています。このイモネジ高さは調整可能です。全体の高さをこのイモネジで調整して、各サドルでさらに微調整可能というわけです。
見にくいですが、この穴の奥はすり鉢になっていて、ブリッジは少し前後に倒れる仕組みです。
プレートを外すと裏側にスプリングがあります。
横から見たところ。弦とこのスプリングでフローティングさせるわけですね。
テールピース部は上の穴から六角レンチを差し込んで上下位置の調整が可能です。これで前述の「壁に弦が当たらない」ように高くします。高すぎるとブリッジ部のテンションが下がりすぎるので、まあいい塩梅に。そうすると支点の位置が変わるため、弦の張力でテールピース部が起きてきます。
よく見るとスプリングを引っ掛ける溝は3つあり、テンションの調整が可能。 これでスプリングを一番外にして弦の張力とバランスを取って、、、のはずだったんですが、スプリングが外せず断念(笑)。テールピース部は現状まだ90°までは起きてないので、様子見とします。
それにしてもよくできてますね。Squierなので、ちょっと簡易版みたいな感じになってないか心配でしたが、サドルが調整可能でオリジナルよりも良いのでは。
↑のネックポケットの黒いパーツはシムです。ここまでの調整でブリッジはちょっと高めがいいことになります。そうすると弦高が高くなるので、ネックの角度を調整するために入れています。
しばらくこのまま使っていたのですが、ある日息子クンから「もっと太い音が出せないか」と相談が。バンド始めたばかりの少年の発言なので、アンプやエフェクター は何を使っているか、そもそも違うギターの方がいいのでは?など他の要因もあります。
が、相談した相手がマサトミです。
「なに!音を太く!!それをこの父に、この父に改造してほしいと!!」
「いや、そうは言ってない」
軽くスルーで、もう止まりません。
元々ムスタングのピックアップスイッチは、それぞれの
正相-OFF-逆相
になってます。で、片方を正相、片方を逆相など、逆位相にすると所謂フェイズアウトになります。もうパッキパキの音です。今ひとつ使い道が見当たらない音です。
ムスタングのメジャーな改造で2つのピックアップを直列(シリーズ)でつながるようにしてハムバッキング風の音が出せるようにする、というのがあります。弊害はフェイズアウトが出せなくなりますが、使わないと割り切ります。
お父ちゃんこれやってみたかったんだよねー。
というわけで、配線変更スタートです。
まずピックガードを外します。
手前がスイッチ部、上下がピックアップキャビティです。
ピックアップの配線が長い!束線バンドでまとめてあります。
スライドスイッチはなんとSWITCHCRAFT!うっ、しまった!しまった理由は後ほど。
コントロールパネル(?)外したところ。
ピックアップキャビティもそうですが、ノイズ防止に導電塗料が塗ってあります。パネルに接触する様にちょっと上側まで塗られています。ちゃんとしてますね。
いやー、まさかSWITCHCRAFTとは思わず、交換しようと思って買っちゃいましたよ SWITCHCRAFT(笑)。元パーツとしてそのまま残して交換するか迷うところですが、
右がSquierの元パーツ。ちょっと低めになってます。左の購入したムスタング オリジナルは高いですね。これはピッキングの邪魔になるので元パーツのままにします。
うー、高かったのに。。。
配線はネットで紹介されている複数記事を参考にしました。
説明が難しく、興味ある方はすいませんが写真をよく見てください。もっとシンプルにならないか結構考えたのですが、思いつかずこの配線です。
一旦ここまで配線したのですが、シールド線の処理に困って、
メッキ線を追加。
配線完成です。 SWでどうなるかは後ほど。
SWキャビティに入るように結束し直し。
↑改造前。GND線は元々この状態でした。不要でカットしたような線が?
ポッド、コンデンサ、ジャックも交換します。ポッドは最初CTSにしようとしましたが、キャビティがギリギリ狭くて断念、ALPHA製の小型のものに。
コンデンサは今回はセラミックにしてみました。見た目の雰囲気で選びましたが、リプロでなくて普通のセラミックで良かったかも。
ポッドはVoは250kΩBカーブ、Toneは250kΩAカーブ。ジャックはお馴染みSWITCHCRAFTです。
配線完成です。
SWは右のSWが
強制シリーズ(ハムバッキング)-パラレル-リア
左のSWはパラレルの時のみ有効で
フロント-MIX-リア
です。両方リアにすると、配線が2重になるスンポーですが、まあ聞いてわかるほどではなかったですね。
さて、この状態で音出し確認です。果たして期待する「太い音」になっているのか。。。
シリーズにしてジャカジャーンと。。。
。。。
。。。
んー、確かにハムバッキング風で太いは太いのですが、フロントのハムバッキングともリアのハムバッキングとも違う、ミックスした感じです。悪く言えばちょっとモッサリした感じというか。
もうちょっとリアハムっぽいジャキッとした感じにしたくて、出来る範囲で再調整します。
まず、ピックアップの高さです。気にはなってたのですが、これちょっと低くない?ネジを締め込んで一番高くしてもこの位置です。
このピックアップはカバーがついていてポールピースは出ていないので、他のピックアップに比べて更に弦から遠いことになります。
これをもう少し弦に近づけられないかと。もう一度ピックガードを外します。
高さ調整はバネです。逆にこのバネが邪魔でこれ以上上がりません。これをスポンジゴムに変えます。
これを使いました。ポイントは「厚さ2mm」。
ピックアップ固定ネジも短い物に変更します。
最初1枚貼ってみましたが、バネ性が低くて1弦側と6弦側の差がつけづらいので、
2枚にしました。てことは厚さは4mmで良かったと(笑)。
もう一つ。ハムバッキングのVoポッドは通常500kΩ ですので再交換します。より高音が出るようになるはず。ただシングルの時どうなるのかちょっと心配ですね。
ついでにジャックは戻しました。
パネルのキャビティはちょっと狭く、SWITCHCRAFTだとちょっと窮屈だったので戻しました。
さてピックアップの高さは。。。
。。。1mmぐらいか。思ったほど高くなってないですね。でもピックアップの高さは意外と音が変わるので効果あるはず。
再度音出し、ジャカジャーンと。。。
おっ、ちょっといいかも。ハムバッキング風の音もちょっと良くなりましたが、リアシングルがジャキッといい感じになりました。これはピックアップ高さよりもポッドが効いてるのかもしれませんね。
さて息子クン、ムスタングを渡してしばらくしてから感想を聞いてみると、リアシングルを使っているとのこと。エフェクター を使ったりもしてるので結果的にでしょうが、マサトミもリアシングルがいい感じになったと思うので納得です。
あれ?一番悩んで苦労した配線変更は必要なかった?まぁ、そんなもんです。
ではまた次回。
※ご紹介したギターの改造はなんらお勧めするものではありません。ご自身のギターの改造はくれぐれも自己責任でお願いいたします。
Greco SG SS-85S Lay Down the City
あけましておめでとうございます。今夜だけ愛してほしいマサトミです。LiSAさんレコード大賞でしたね!もう今年(昨年?)は勢いそのままで正解だと思います。我が家は大晦日は紅白派です。コロナ禍の無観客、司会の大泉さんなど賛否あったようですが、我が家としてはとても楽しめましたよ。ちなみに我が家の採点は白組でしたが鬼滅&坂パワーでしょうか、残念ながら紅組勝利でした。
年を越してしまいましたが、前回の続きです。
そういえば、このギターで試してみたことがあります。購入時にちょっと順反りしていて、トラスロッドを回してもあまり変化しません。(ちなみにトラスロッドの可動域が120度くらいしかない!) 古いギターなので弦の張力でネックが反ってしまった、と考えるといかにもそれらしいですが、本当にそうでしょうか?
ネットで、ネックのねじれはネックを外して平らな床に一週間ほど放置すれば治る、という記事を見たことがあります。弦やトラスロッドの力を抜いて木の素直な状態に戻すという訳です。
これを真似て弦を外してトラスロッドを緩めてみました。セットネックなのでネックそのものを外すことはできません。この状態でネックは真っ直ぐに見えます。経年で反ったならば、この状態でも反ってるはずです。
ということは、30年経ってネックが反ったのではなくて、元々こんなもんだ、ということになりますね。トラスロッド込みのギターのネックは意外と強くて、時間と共に反ってきたりは、あまりしないのではないかと考えています。
ネックはその状態で一週間ほど放置しました。効果のほどは定かでないですが、なんかリフレッシュした感じがします。
さて、改造はペグ交換からです。パーツはゴールドからニッケルに変更する方針です。色だけ変えてもちょっと淋しいので、 お試し半分でGotohのロックペグを使ってみることにしました。
マグナロックというGotohオリジナルロックペグもありますが、一般的な裏のダイヤルを回すタイプをチョイス。
ボタンはGibsonぽいのと迷いましたが、オリジナルに近そうなシルバーの楕円にしました。
↑はブッシュ穴にマイナスドライバを突っ込んで、元々付いてるブッシュを裏から 叩いて外しています。
↑付いていたペグ。
↑ロックペグ。重さはそんなに変わらないですね。SGはヘッドを重くすると重量バランスが悪くなるので 変わらないほうがいいです。
ブッシュ穴、ネジ穴はそのままで交換可能でした。
ヴィンテージ好きな人はこの見た目がアレかもしれませんが、メカニカルな感じが気に入ってます。
次はナットです。購入時から接着してませんでした。しかもナット溝は外した時のままのようです。
溝を綺麗にしました。本来は残った接着剤を除去する程度ですが、少し木部も剥がれていたので、平らになるように削りました。
ナットは弦溝加工済みで加工し易そうで良さげなタスクナット にしました。元のナットの寸法を測って、近いものを加工します。
直角が今ひとつ、高さももうちょっとだけ低いほうがいいですが、まあ弾ける状態にしました。
さて、今回の改造の目玉、ピックアップ配線の変更です。元はGibsonの3ピックアップ配線になっていました。セレクタのセンターはセンターピックアップとリアピックアップのミックスです。Gibsonは更にフェイズアウトのようですが、その場合センターピックアップが逆位相のはず。位相を確認すると3つとも同じ位相でした。ネットではこのモデルはセンターが逆位相という情報もあり、正解がよくわかりません。
センターピックアップは当時蘭丸さんがこのギターの説明で、
・夢にジミヘンが出てきて3ピックアップにしろと言われたから付けた。
・センターはブレンドできるようにしてある。使わないけど。
というような内容のインタビュー記事を読んだ記憶が。
通常のフロントとリアのミックスも出したいので、
・セレクタは通常のフロント、フロント+リア、リアになるようにする。
・センターブレンド。
・センターのみも出せるようにする。
これを目指します。
エレキギターの2Vol、2Toneの代表的な回路です。
※PCで描けばいいんですが、意外と時間かかるので手書きです(笑)。
↑通常だいたいこうなってます。センターは後回しにしてフロントとリアで考えるとこうなるのですが、この配線は一つ問題が。
Gibson系のギターを持ってる方は分かると思いますが、ミックス時にどちらかのVolを0にすると、音が出なくなります。
上の回路でVolを0にすると、OutputがGndにつながってしまうからです。
センターブレンドはスイッチ追加ではなくVolだけでやりたいのですが、このままだとセンターのみは出ないことになります。
そこで、
Volは ↑の「改」の配線にします。こうするとミックス時にそれぞれのVolを0にしてフロントのみ、リアのみが出せるようになります。
実はVol5ぐらいの時は信号経路がどうなるのか、いまいちわかりませんが(笑)、フルの時は通常と同等になるはずなので良しとしましょう。
で、これで配線を書き直すとこうなります。
更に、後回しにしたセンターを追加します。
3Vol、1Toneにして、センターはTone、Output に接続します。セレクタがどのポジションでもセンターVolを回すとセンターミックスになります。0にするとセンターの音は出ないので、0にしておけば通常の2ピックアップと同等になります。
反対にフロント、リアVolは0にするとそのピックアップの音は出なくなるので、どのポジションでもセンターのみの音が出せることになります。
↑ちなみにVolポットの「改」の配線は具体的にはこういう接続になります。
配線改造します。
ピックアップ配線の半田付けを外します。
パーツ全外し。
リンク貼ってませんが、いつも通りサウンドハウスさんで各種パーツ購入。
ポットは500kΩにしました。ピックアップはシングルなので250kΩの場合もあるようですが、250kΩだともっさりするという情報もあり、High寄りな音狙いで500kΩです。VolがB、ToneがAです。コンデンサはシングル用とハムバッキング用の中間の0.033μFにしました。
セレクタSW配線を先に行います。
配線材はBraided Wire、Gibsonヴィンテージを模した配線です。シールドに巻いたメッキ線は本当は半田付けするのですが、後々のことを考えて強めに巻きつけるだけにしました。
ちょっと端折って配線完了です。
ジャックはお馴染みスイッチクラフト、多少回ってもいいように余裕を持たせた配線です。
つまみもシルバー系のものに変更します。
↑で左上がフロントVol、右上がリアVol、左下がTone、右下がセンターVolです。一番触らなさそうなセンターVolを一番遠い右下にしました。
どうかなーと思っていたピックアップのソリッド固定は、2mm厚のスポンジを追加しました。気休め半分ですね。
最後は、P90のポールピースと固定ネジです。
パーツのゴールド→シルバー変更で、残ったのはピックアップのポールピースと固定ネジです。ポールピースは一応購入できそうなので変えられなくもないようですが、6×3=18個と結構な数になりますのでちょっと保留で。
固定ネジは黒色にでもしようかと思い、実際に数種類購入してみたのですが、同じ太さ、長さの物がなく。。。こちらも保留です。
ところで、この固定ネジですが鉄製です。2-3弦、4-5弦のポールピースの間を通して固定しています。。。ということは。。。
ご存知の方もいるのかもしれませんが、この固定ネジは音に影響しています。当たり前ですね、こんなポールピース近くに鉄があれば磁界に影響します。
外すとちょっとスッキリした音に、付けると少し太いというか中域が厚めになります。
P90はソープバーとドッグイヤーで音が違う!なんて情報を見た気がしますが、このネジのせいだと思います。
ピックガード、トラスロッドカバーのネジもニッケルメッキに変更して完成です!伝わるかわかりませんが「渋い」「男らしい」感じでカッコいいと思いませんか?
☆SS-85Sの音
なんと、ここまでほとんど音に触れてませんでした(笑)。P90は暴れるという記事を見た気がしますが、そんなことはなく、かなりタイトな音です。低音もスッキリとしてブーミーさは全くなくFenderよりも低音が出てないと思います。中高音はシングルの音ですが、Fenderに比べると丸みがあります。
この音がコードカッティングにはマッチしています。蘭丸さんのバッキングは基本コードカッティングなんですが、なるほど向いている音かも。ジャキジャキカッティングしていると、とても気持ちいいです。
センターブレンドは。。。どのポジションでもブレンドできるので無限の組み合わせがあり、変化させるにはいいですが、確かにいらないかも。。。
そのセンターのみは。。。フロントとリアの中間の音です(笑)。当たり前だって。やはりこれもあえて選ぶ必要はない気がします。
センターVolを0にすれば通常2ピックアップと同じなので、改造の狙いとしてはいいかなと。ま、このギターは(このギターも?)見た目重視、カッコ良さが重要です(笑)。
SS-85S改造はこれにて終了です。
ではまた次回。
※ご紹介したギターの改造はなんらお勧めするものではありません。ご自身のギターの改造はくれぐれも自己責任でお願いいたします。
Greco SG SS-85S 全集中!水の呼吸!
マサトミです。「鬼滅の刃」大ブレイク中ですね。映画見ましたか?いい歳して少年ジャンプはずっと読んでるので作品はよく知ってますが、まぁギターブログですからね、作品論は別の方に譲って、主題歌のLiSAさんの「紅蓮華」、カッコいいですよね。歌っている姿は何度見てもシビれます。アニメ主題歌とはいえ、Rock文法の曲がこんなにヒットするのは珍しいのでは?米津さんとかKing Gnuとか、好きですけどRockな肌触りではないかなぁ。
。。。今日のサブタイトルが何故鬼滅かですって?決まってるじゃないですか、コラボですよコラボ。アクセス増えるといいなぁ(笑)。ちなみに映画は見てません。
。。。さて(笑)、前回の続きです。
↑の写真は改造後です。
改造前ブリッジはプレートがピックガードに干渉して思った高さに下げられません。
しかも上の写真、1〜3弦はオクターブ調整するとこの位置。もうちょっと下げたいぐらいです。もう思い切ってポストの位置を移動させることにしました。
穴の移動は、穴を埋める→穴を開け直す、です。これまでは爪楊枝にボンドを塗って突っ込んでました。パーツ固定ネジならそれでもいいですが、今回はブリッジポストです。しかも位置はポスト半分ほど移動と予想され、埋めた材料にポストが接触する状態になる可能性が高い。そうすると、埋めた材料が弦振動のボディへの伝わり方に影響しそうです。
とすると、同じマホガニーにしたいところ。知り合いに工房の人でもいれば、ちょっと分けて貰えばいいんですが、あてもなく。
どーしよっかな〜と思ってると。。。便利な世の中ですね。検索すると、マホガニー材が小片で買えることがわかりました。
サイズ指定して購入できます。以前購入したスプルースもここで買えばよかったと後悔。
マホガニーって柔らかいと思ってましたが、カンカンと乾いたいい音がします。柔らかいのではなくて、加工しやすいということですかね。
小さく切り出して。
断面を丸めて、カットx2。
更に円柱に仕上げていきます。
おお、いい感じ。ちなみにφ4です。
平らになるようにカット。 当然ボンド塗ってから入れてます。
プレートを使って位置決めです。ピックガードを避ける位置にテールピース寄りに移動、この時、ブリッジも仮置きして、左右方向の弦の位置も調整しました。
撮影角度がバラバラでスイマセン。ちょっとわかりにくいですが、マジックでマーキングしたところが穴位置です。左下へ移動することになりますね。
さて、ここまでは前準備です。今回作業の最大の難題は、「ポストの穴をボディに垂直に空ける」ことです。穴あけはハンドドリルですからね。これが意外と難しい。いろいろ悩んで、これを買ってみました。
ただし、今回の穴は所謂M4のネジ穴に仕上げる必要があります。とすると下穴はφ3ぐらい。上の工具ではφ4からなので、
これも購入。このスペーサの外径がφ6なので、
φ6のガイドに挿し込むと、φ3.2のガイドになります。
透明の台にガイドを通すと、垂直ガイドになるというスンポーです。
そうは言っても多少ガタもあるし、失敗できないことに変わりありません。「全集中!」で穴あけです(こじつけ)。
おお〜!垂直穴あけ成功!
借り物のタップドリルで、M4のネジ山を切ります。
途中、あまり下まで切れないことに気がついて、左のタップドリルに変更。ちなみに、これはネジ穴を開けながらネジ切りできるはず。本当はこういうドリルで一発で仕上げるんでしょうね。
ネジ穴深さを確認しつつネジ穴形成を狙って普通のM4ネジで確認。
前回記事に書きましたが、ペグ、ブリッジ、テールピースはニッケルメッキ品に変更することにしました。元の金色パーツも物としては悪くないと思いますが、もう完全に見た目だけの理由です。
ただ色だけ変えてもちょっと淋しいので、奮発してGOTOHのロックペグを使うことにしました。
ペグ交換はまた後日。
ポスト形状は微妙に違いますが、ネジピッチと長さは同じです。
ポストをねじ込んでみました。写真だと左右が揃ってないように見えますが、大丈夫です。平行に立ってます。
ポスト飛び出しが19mm、ちょっと長いか。
テールピースもニッケルです。
レスポールの時はアルミ製にしてみましたが、今回は通常の亜鉛合金にしました。SGは全体に軽いので、パーツは重いほうがいいのではないかと。根拠はありません、直感です(笑)。
ブリッジとテールピースを取り付け。
。。。。ん〜、やっぱ飛び出しが大きい。面倒ですが。。。もう一回穴深くするか。。。
ネジ山を壊さないようにテーピングして、数mm穴を深くします。
再度タップドリルで、穴の奥のネジ山を切ります。この時もネジ穴を壊さないように慎重に作業しました。
Goodです。 いい感じ。
この後ペグも交換して、弦を張ってブリッジの高さがピックガードに干渉せず下げられること、左右の位置がセンターにきていること、オクターブ調整出来ることを確認しました。
なかなかいい感じになってきました。今回はこのぐらいにして、次はそのペグ交換と、ピックアップを除く電装系パーツの交換、配線の変更です。
ではまた次回。
※ご紹介したギターの改造はなんらお勧めするものではありません。ご自身のギターの改造はくれぐれも自己責任でお願いいたします。
Greco SG SS-85S 月の夜道でマンボを踊る友人の唄
♪~同じあの満月をテラスに飾って、”消さないさ、誰にも消させないから”って約束したかったのさ夏の夜。。。Yeah~♪ ずいぶんご無沙汰です。マサトミです。
また20年のお休みに入ったわけではなく、ずっと弄ってました。改造を記事にするとついつい大作になってしまう割にはあまりアクセスも無く、ちょっと億劫になってました(笑)。もうちょっと小出しにしましょうかね。
The Street Slidersが好きだったと以前のブログで書きました。
黒いテレキャスターはSlidersボーカルのHarryさんをイメージして購入しました。80年代後半当時Slidersモデルのギターはどこも出してませんでした。その後、HarryさんはFender Japanとエンドースメント契約して白のカスタムがリリースされたと記憶してます。ギターの蘭丸さんはGibsonや国産コピーのSGモデルを良く使ってました。
しかし、タイミングが定かでないですが、当時何故かひっそりといかにもHarryさん、蘭丸さんのギターを連想させるモデルがGrecoにありました。
その蘭丸モデルと思われるギターがSS-85Sです。
この頃蘭丸さんがよく使っていたのは松下工房さんのカスタムギターで、特徴は白いSGモデルでP-90の3ピックアップ搭載でした。Sliders活動休止期間中に始めた麗蘭でも使用頻度が高く、当時の蘭丸さんのトレードマークのようになっていました。
また、Slidersサウンド的にもアルバムで言うと「Screw Driver」前後でマサトミとしては最も「らしかった」頃だと思ってます。カッコ良かったですね。
で、この白いSG+P-90 3ピックアップという特徴そのままで発売されていたのが、SS-85Sです。当時紙のカタログで見た記憶がありますが、実物は見たこと無かったです。公式にはSlidersモデルとは謳って無かったと思いますが、まぁ大人の事情かもしれませんね。ちなみにHarryさんのモデルは黒のテレキャスターだったと思いますが、ちょっと定かでないですね。
蘭丸さんをイメージしてSGは欲しいと思ってました。Gibson中心に考えていて、どのモデルにするか、のんびり迷ってるところでした。有力だったのはSG Classicという赤でP-90でラージピックガードの中古です。でもつまるところ、白でP-90 3ピックアップが欲しいのではないかという葛藤もあり。
ネットで中古のギターを検索していると、SS-85Sはたまに出てきてたようで気にはしてました。ただそもそも球数が少ないようでなかなか縁が無かったのですが、今回タイミングが合って入手することができました。
もう見た目がカッコよすぎです。でも松下工房さんのギターは金属パーツがシルバーでしたが、こちらはゴールドです。また、本家のボディはメイプルトップ、マホガニーバックというレスポールと同じ構成ですが、こちらは通常のSGと同じくマホガニーのみです。
コントロールはGibsonの3ピックアップのモデルと同じ配線のようです。ボリュームとトーンはフロントとリアですが、セレクタの真ん中はセンターとリアのMixになっています。センターのみ、フロントとリアのMixはできません。
本家はセンターがブレンドできると蘭丸さんが言ってました。どういう配線なのか調べてみましょう。
このGrecoロゴを見て「ん?」と思ったあなた!きっと同年代のお仲間でしょう(笑)。そうOの上側が切れてないんですね。80年代後半のロゴは所謂「O切れロゴ」のはずですが、これは切れてません。
ネックは太めです。持ってるギターの中では一番太いかも。握った感じは丸いですね。SGのネックはマホガニーでしかも長いですからね。太めな方が安心感はあるかも。
シリアルからして素直に1990年製と思われます。ロゴ変更はこの頃なので、SS-85Sの中でも初期モデルはO切れ、後期はこれと同じロゴに変わったのだと思われます。
流石に30年前のギターですので、傷があります。正面から目立たないのはラッキーでした。それに白なのでタッチアップもやろうと思えばできそうです。また、塗装が剥がれたところを見ると、結構塗装が薄いことがわかります。ウレタンでもこんなに薄くできるんですね。これがベストな気がしますが、欠けやすいとか、何か欠点があるんですかね。
重さは2.9kg。軽いですね。
内部を見てみましょう。
ポットは500kΩ、トーンコンデンサは223(0.022μF)、そんなに悪いパーツではないと思います。ピックアップのケーブルはBraided Wireですね。
ピックガードを外したところです。驚いたことに、ピックアップ間に配線用ミゾが無いです。ピックガードが無いモデルと共通ボディなのでしょうか?。
取り付けネジを外すと黒いプラスチックカバーが外れます。
ピックアップベース部が直接ボディに当たる構造です。真ん中窪みがポールピースの逃げですね。2箇所の穴が固定ネジ用のネジ穴です。
センターと写真はないですがリアも同じ構造です。これはバネ性の無いソリッド固定になり、高さ調整もできない仕様です。ん〜、どうでしょう。
配線は右側のミゾを通しています。
ブリッジとテールピースです。日本製ですね。ロゴこそないですが、GOTOH製でしょうか? このブリッジは取り付けにちょっと問題が。
わかりますか?下げていくと、リングがピックガードに当たります。ギリギリ当たる位置なんですね。下げる必要が無ければこのままでもいいんですが、もうちょっと下げたいところ。
設計がおかしいのでは?と思ってネット上のSS-85Sの画像をじっくり見ると、初期の頃はわずかにリングが小さかったのでは?という疑いが。
付いているリングはφ16mmで、現行のGOTOH製ブリッジも同じです。φ12なんてのがあれば良さそうですが今は見当たりません。当時はあったのかもしれません。その後パーツサイズを統一していく中で、穴位置は変えなかったのではないかと想像してます。
他にも初期モデルはもうちょっとクリーム色だったようにも見えます。これは褐色のせいや、写真の色味の可能性もありますが。
おっと、ナットが外れました。固定してなかったようです。何かに変更して戻したのでしょうか?それにしてはミゾの清掃が今ひとつですね。ナットの黒ズミは鉛筆ですね。これやりましたね〜、滑りを良くしてチューニングの狂いを防ぐってやつですね。最近でもやるんですかね。今だともっといい潤滑剤があるかもしれませんね。
さて、一通りチェックして弄ってみたい箇所は
・コントロールはセンターブレンドに、できればセンターのみの音も聞いてみたい。
・ピックアップはそのまま使う。
・ブリッジは。。。どうしようかな。ピックガード削るか?
・ナットは交換する。
・金属パーツはシルバー(ニッケル)にしようかな。
といったところです。
次回からは改造編です。一つの記事では長大作になりそう(笑)なので、ちょっとづつ、気長に、ですね。ではまた次回。
Gibson Les Paul Classic Plus 地球最大の決戦
マサトミです。突然ですがゴジラは好きですか?「GODZILLA:King of the Monsters」は見ましたか? キングギドラ、カッコよかったです。着ぐるみという制約がなく、造形としては過去最高だと思います。マサトミの世代だと最強モンスターはゴジラではなくてキングギドラじゃないですかね。なんせ金星滅ぼしてますからね!知らんけど!まぁそんなKingの話を。。。
前回から紹介していますGibson Les Paul Classic Plus(1999年製Translucent Amber)です。好きなギタリストが使っているギターはシングルコイル系が多くて、レスポールに思い入れは無いのですが、「エレキギターの王様」を所有してみたかったんですね。それとレスポールといえば、太く歪んだ音でリフを鳴らすイメージですが、当時レスポールをコードカッティングに使ってるギタリストがいて、カッコ良かったので真似してみたいと考えてたような。それが誰なのかは全く覚えてませんが(笑)。
先に改造後の写真を掲載します。
ワイルドな虎目が美しいです。写真ではわかりませんが、トップ板の厚みのために見る角度でかなり変化します。もうメラメラしてる感じで素晴らしい!このために買ったと言ってもいいかもしれません。色もアンバー(アメ色)好きですね。このままGretsch6120にしたらパーフェクトかも。
ヘッドです。このモデルのポジションマークは元々この黄ばんだ色です。
背面は目立った木目はありません。90年代は使ってる材質が良いと言われてますが、マホガニーの良し悪しって木目でわかるんですかね?
ヘッド裏。通常シリアルは刻印ですが、Classic感を出す為にスタンプです。頭の9が1999年を示しているはず。通常シリアルとは違います。
お馴染み真横から。
ヘッド横から。
重さは4.4kg。ヘビー級ですね。持ってるギターでは一番重いと思います。
ここから時間を遡って改造前から再スタートです。
改造箇所の検討のため、内部を見ていきます。
右下のカバーを外します。。。
げっ!ちょっと割れてる。。。いつの間に。。。
ポットはベースプレートに固定されていて、このプレートがアースも兼ねています。そういえば、一時やけにノイジーになったことがあって、見てみると左上ポットにハンダ付けされているアース線が外れてたことがあります。このアース線は内部でブリッジに配線されているようで、弦アースが外れた格好になっていたようです。
ポットは全てGibsonの刻印が入っています。カッコいいので(笑)ポットはこのままにしましょうかね。ん?よく見るとなんか毛羽立ってますね。。。なんだろこれ? カビでは無いようですが。ウィスカ?
ピックアップからの配線はBraided Wireですが、セレクタまでの配線はよくある4芯シールド線ですね。。。このヒョロヒョロの配線でいい音が出てくる気がしません。これは交換したいですね。
コンデンサはセラミックの223(0.022μF)です。セラミックは見た目はショボいですが、音は意外と悪くないと思います。
毛羽(?)を掃除しました。
ピックアップセレクタのカバーを開けたところ。
セレクタSWを外します。
おっ! SWITCHCRAFT 製が付いてました!なんか得した気分ですね(笑)。これもこのまま使いましょう。
うん、この配線ね。4芯シールドってもうちょっと良さげなの無いんですかね?
ピックアップも外してあります。トップのメイプルが結構厚いことがわかります。ピックアップキャビティには手書きで色々書かれてます。 LPCPはモデル名頭文字ですかね。
さて、内部を確認して今回のレシピは、言うまでもなくピックアップの交換、気の持ちようかもしれませんが4芯シールド配線材の交換、コンデンサはセラミックでもいいのですが、オイルコンデンサを試してみたいので交換、テールピースの交換(後ほど)です。
1.ピックアップの準備
ピックアップは前回試した Epiphone Alnico Classic Pro(以下EACP)を使います。
エスカションが付いてましたが、そのままでは付かないので、これは使いません。
準備というのは、このEACPもコイルタップ配線を可能にするため、ギター本体と同じく4芯シールド線が使われています。通常のハムバッカーで使う場合、実際の信号としては
コイル→ピックアップ配線の先でショート→コイルに戻る→ボリュームポット→セレクタSW→ジャック
という長い経路でこのヒョロヒョロ線を経由することになります。配線材の影響が如何程のものかという議論はありますが、タップは使わないので、潔く単芯シールド線に交換します。
前回カバーを外したフロント用です。
白く見えているのはぐるりと貼ってあった保護用紙テープを剥がした跡です。
カバーを外したところ。
このピックアップについては前回記事でも紹介しています。
ポールピースを外して、一旦ピックアップそのものを分解します。
ネジ頭の白いのはロウです。。。このピックアップはロウの量が凄いです。作業中ずっとペタペタしてて、もう早く終わりたかったです(笑)。
4芯の色をコイル巻線側にメモりました。この後4芯シールド線を外して、ここで緑白をつないで、赤を信号線、黒をアースシールドにつなぎます。この状態にしたかったので、一度分解したわけですね。ちなみに畳の上で作業しているわけではなく、畳屋さんのチラシです。結構な畳感ですよね。違うの使えばよかったです(笑)。
マグネットです。EACPはGibson 57Classicベースなのでアルニコ2のはず。62〜3mm意外と長い。
幅17〜8mm。
厚み3mm。
収縮チューブを外して半田付けを取りました。
次はリア用のカバーを外します。
カバーはいつも通り、半田をホビーのこでゴリゴリと 切ってます。このピックアップは隙間が狭くて、半田が硬く、時間がかかりました。
同じく分解のためにポールピースを外していきます。
ん?何か違和感が。。。
ゼブラ🦓❗️❗️❗️リア側の中身ゼブラでしたよ!(何故か慌てるマサトミ)
演出ではなく、本当にしばらく気がつかず淡々と作業を続けてました(笑)。カバー付きを頼んだので中身は不問ですが、ゼブラとわかると、「じゃあカバー無しで両方ゼブラに。。」「フロント用はどーする?」とかお花畑状態に。
ひとしきり夢想したところで我に帰り、予定通りカバー付きで続行です(笑)。
同じくメモして半田付けを外しました。
配線材は当然Gibson風にBraided Wireを使います。
実物です。説明文に2本編み限定品と書かれています。この限定期間は結構長かったようですが、この後再度購入したら3本編みになってました。又、芯線もAWG30x7本=AWG22は変わらないのですが、芯線同士がメッキでまとめられていて、単線のような感触でした(この変更は念のためサウンドハウスさんに確認しました)。
こういう物はMONTREUXさんが作らせてるわけではなく、調達してくるのだと思います。その都合なのでしょうね。
赤を芯線に接続、黒はピックアップのベースプレートに半田付けしました。Wireの外皮シールド をベースプレートに半田付けして共通アースにします。
ピックアップの配線材交換完成です。いや〜なんかいい音しそうでもう満足です。
上のエスカションはギターに付いてた物です。ネジはEACP付属品を使いますが、吊り下げネジが微妙に入らないため少し穴を広げました。中国製ですがひょっとしてミリ規格品?
先にここまで組み立てておいて、、、
取り付けました。
まだセレクタSWの配線をしてませんが音出ししてみましょう。
★Epiphone Alnico Classic Proの音
セレクタSWの代わりにワニ口クリップでジャックに接続して、フロントとリアの音を確認しました。
前回はフロントのみの比較でしたので、今回注目はリアの音です。それではジャカジャーンと。。。ああ、なるほど。。。んー、こういう感じなのね。
・元の500Tのドンシャリな音と比べるとかなり地味。
・リアの1、2弦は「コキッ」「クキャッ」とした、低出力らしい音。
・5、6弦はブーミーさは皆無。倍音少なめだけどサスティンあり。
・500Tはコードカッティングは似合わない音でしたが、こちらはいけそう。
ちょっと表現がネガティブでしたね。倍音少なめで、大人しい音です。イメージするレスポールらしさとは違いますが、シングル系に馴染みのあるマサトミからすると、これでいいような。。。
と、この辺りで根本的な問題に気がつきました。それは。。。目標とする音が無い(笑)。
そう、他のギターと違って、あの人のあの音をイメージして〜という音が無いことに気が付きました。いや、レスポールを使ってる好きなミュージシャンはいっぱいいますよ。でも自分でその音を出したいかというとそうでもないという。。。
そうなると、もう自分なりにいつもの「いい感じ」と思えるかどうかが基準ですね。その基準で言うと、リアはもうちょっと元気でもいい気がします。今まで何度か書いてますが、自分にはヴィンテージ寄りすぎるのかもしれませんね。
そしてフロントはこちらもリアと同じ印象です。ただリアとのバランスで言うともう少しだけタイトでもいいかも。
何しろ目標が無いので、このまま色々アンプやエフェクター の組み合わせを試してみることにします。でも小改良として、マサトミブームのマグネット交換でもしてみましょう。リアはアルニコ2を5に変更します。世間の評価では磁力が上がってちょっと元気になるはずです。フロントは2から2ですが、MONTREUXマグネットがあるので同じように交換しちゃいましょう。
再度ポールピースを緩めてマグネットを外します。
今回はアルニコ5を購入しました。
上が付いてたマグネット、下が購入したマグネット です。研磨してないので見た目がだいぶ違いますね。
フロントは前回も使ったアルニコ2です。
さて、EACPを元に戻していくわけですが、最初にピックアップ改造のために剥がした黒い紙テープをどうしようかなと。一旦布テープを巻いたのですが、やっぱり紙にしたいような。
よくあるマスキングテープに黒色があればそれでもいいと思ったのですが、見つけられず。結局ピックアップ用と謳ってる紙テープを購入することにしました。 中国製のピックアップ製造に使われている紙テープなのだと思います。
実物です。マスキングテープよりも厚くて丈夫な感じでした。質感は良い感じです。
おお、ぱっと見は元通りです。カバーしちゃえば見えないんですけどね。 自分にしかわからないこだわりみたいなもんで、こういう改造を誰かが「服の裏地」に例えてましたが、その通りだと思います。
カバーと接触するベースプレート部は綺麗にカットしてあります。写真は無いですがカバーしてピックアップ完成です。Filter Tronと違ってカバーは被せてるだけなので、少し半田付けして固定しました。
で、マグネット交換後の音ですが、ほんの少し狙った効果があった気がします。AB比較できないので記憶との戦いですが。
とここで、またしても新事実が!EACPのマグネットはアルニコ5のようです!?Epiphone公式には何故か明記が無いのですが、海外のギター関連フォーラムでEpiphoneに質問した人がいて、アルニコ5と回答があったようです。
Epiphoneのもう一つのピックアップ「Pro Bucker」はアルニコ2と明記されているし、そもそも 57Classicはアルニコ2なので、2と思い込んでました。差別化のためにこちらは5にしたんですかね?
てことはリアは5から5に、フロントは5から2に変更したことになります。。。効果は気のせいか。。。でももう確認しません。。。めんどくさいから。。。気を取り直して次の改造へ。。。
2.内部配線の交換
セレクタSWとボリュームポットを接続している4芯シールド線を交換します。
配線材はもう言うまでもなくBraided Wireを使います。これを3本使って、
・フロント用ボリュームポット
・リア用ボリュームポット
・ジャック(正確には上の写真真ん中の中継プレート)
ここに配線します。
途中は線材の前加工しか無いので割愛、セレクタSW部はこうなります。
外部シールドに3本まとめてアース用ワイヤを巻いて半田付け、これをセレクタSWのアースに半田付けします。この方法はヴィンテージGibsonの配線方法を再現したものです。
元の4芯シールド線に比べると随分太くなりますが、
安心してください、通せますよ!(古い?)
最初からこの右の穴に通すことを想定して加工してます。
ピックアップの配線も変更したので、これで経路が全てAWG22になります。以前の実験から音が太くなってるはず。比較はできませんが、間違いない!(もっと古い?ていうか、わかんないかも)
3.コンデンサ交換
トーン用のコンデンサ、これもよくある改造ポイントですね。トーン10でも影響があるとかないとか。これは効果がわかりにくいですね。トーンを使うならまだわかりやすいでしょうが、マサトミ、ギター本体のトーン使ったことないですから(笑)。これこそ「服の裏地」は言い得て妙ですね。
元々付いてるセラミックも例えばFender系には悪くないと思ってますが、Gretschのギターが2015年(だったかな?)にシリーズ一新する時に、「オイルコンデンサ復刻」を謳っていて、古いコンデンサはオイルと認識しました。
サウンドハウスさんでこれを見つけて、評判も悪くないし、見た目も悪くないし、そんなに高くもない(高い物は1個で数千円します)ので、これを使ってみることにしました。
でかっ!でも軽っ!足のフォーミングが必要です。
コンデンサを半田付けして、セレクタSWからの配線を半田付けして完成です。真ん中のジャック中継プレートへの配線は長いので、外部シールドが信号線にショートしないようにチューブを被せています。
音出ししてみましたが、やっぱりコンデンサの効果はわかりにくいですね。明るくなったといえばそうかもしれませんが、他にも色々変えてしまっているので、コンデンサのみで比較しないとわからないです。
この手の改造ってのは、1箇所変えても効果は少ないのですが、それの積み重ねでちょっとだけいい音に近づける作業だと思います。
4.テールピースの交換
元々付いてたブリッジとテールピースです。ニッケルメッキに20年のくすみが。 これ、材質は亜鉛合金のようです。
今回レスポールの改造例を調べていたら、 ヴィンテージではアルミだったらしいですね。知りませんでした。更に最近のGibsonではアルミ製採用のモデルもありました。
で、アルミ製交換用テールピースは入手可能です。ブリッジも、と思ったのですが、こちらは見つけられず。
亜鉛合金とアルミでは重さが違います。直接振動を受けるブリッジではなく、テールピースを軽い材質の物に変えたらどうなるのか、すごく興味が湧きます。
候補はいくつかあったのですがこのKLUSON 製にしました。そのまま付きそうなのと、スタッドは鉄製がいいらしく、これの付属スタッドは鉄製且つそのままGibsonと交換可能というレビューを見て決めました。
重さを測るのを忘れましたが、持ってわかるほど軽いです。
裏面は雑に見えますが、ヴィンテージを再現しているらしいです。
置いてみました。
同じニッケルメッキですが、新品は輝きが違いますね。
マグネットにくっつくので、レビューどおり鉄製のようです。
交換しました。スタッドも慎重に回して外して交換しています。ブリッジのくすみが目立ちますね。ちょっと磨きましょう。
ピカピカというわけにはいきませんが、結構綺麗になります。本当は完全に分解して磨きたかったのですが、コマが外れませんでした。
元に戻して完成です。
★アルミ テールピースの効果
テールピースを軽いアルミに変えると、音も軽くなりました。明るくなったとも言えます。特に生音が変わりましたね。極端に言うとビーンという音がシャリーンという音になった感じで、これはエレキ音にも影響しています。また、構造の変化なので、線材やコンデンサよりも音の変化はわかりやすいです。
ということは、反対側のペグも材質や重さが変われば音も変わるということです。面白いですね。直接振動を受けるブリッジやナットの外側で弦を支えている部品なのに結構影響があるということです。
今「重いボディに軽いパーツ」の音になってると思います。 じゃあ「重いボディに重いパーツ」にすべく、ペグをロトマチックにしてブリッジを戻したら?これはきっとビンビンの音になると予測できます。その中で、好みの組み合わせは?これは「沼」ですね。
さて、最終的なレスポールの仕上がりは冒頭の写真を見ていただくとして、どういう音になったかというと、クリーンでは割とパキパキです。ハムバッカーですので、太さ、甘さもありつつのパキッとした音で、意外やテレキャスターっぽいというとわかりやすいでしょうか。
太いゴリッとした音がイメージされるレスポールですが、ヴィンテージのレスポールはどういう音なのか調べていた時に、ヴィンテージに近づけようとするとテレキャスターに近づいていく、という主旨の書き込みを読んだ記憶があります。他のレスポール、ましてやヴィンテージなんて触ったこともないので偉そうなことは言えませんが、ちょっとわかった気がしています。これに歪ませたマーシャルアンプとオーバードライブの組み合わせで、芯のあるレスポールらしい歪んだ音になるのではないかと。
じゃあ好みの音かというとちょっと微妙。やっぱりピックアップを490R/Tあたりにした方が、好みなのではないかと思うのですが、まぁそのうち。締切があるわけでもなく、慌てることはありません。しばらくはこのまま色々組み合わせを試してみることにします。
ではまた次回。
※ご紹介したギターの改造はなんらお勧めするものではありません。ご自身のギターの改造はくれぐれも自己責任でお願いいたします。
Gibson Les Paul Classic Plus Pick Up Rhapsodyたびたび
マサトミです。Pick Upネタ3回目ですね。3回といえば、三部作。映画だとスターウォーズやバックトゥザフューチャー、インディジョーンズ、マトリックスとヒット作も多いですね。結構見てます。世代でいえば尾道三部作や羊三部作(小説)ですかね。サブタイトル「たびたび」の元ネタは時間ですよ(テレビドラマ)ですが、これは単なる続編ですね。ちなみに七瀬シリーズは読んでないです。何の話をしているのかよく判らなくなったところで始めましょう。
今回からGibson Les Paul Classic Plus(1999年製)の紹介です。ブログの初回記事でちょっと触れましたが
20年ほど前、ギターを弾かなくなる前に最後に買ったギターです。レスポールで出したい音があったわけではないのですが、エレキギターの王様「Gibson Les Paul」を所有してみたかったんですね。最初はTokaiも検討してたんですが「そんなもん、いずれGibsonが欲しくなるだけだろーが!」という相方の優しいツッコミと、たまたま出会えたこのギターを気に入って購入しました。塗装か何かにエラーがあるらしくOutlet扱いになっていて、ちょびっとだけ安かったと記憶。いまだにどこが悪いのかわかりませんが。
改めてGibson Les Paul Classic Plus(1999年製Translucent Amber)です。このギターも虎目が美しいです。レスポールはトップ板厚があるので、杢に深みを感じます。左側にフレームが強く出ていて、右側も同じくらいならなお良かったのですが、お店の人に「そしたらヒスコレになっちゃう」と言われたような記憶が。
当時のレスポールの標準的なモデルと代表的なSpecは
「Les Paul Standard」標準ネック、クロームパーツ、ピックアップは490R/498T
「Les Paul Classic」スリムテーパーネック、ニッケルパーツ、ピックアップは496R/500T
こうで、Classicは標準モデルのひとつでした。で、虎目入りがPlusで、ピックガードは付属品になっていて、取り付け用ネジ穴も開いてないです。ピックガードつけたい人は自分で開けるみたいですが、これ開ける人いるんですかね?
ちなみに上位グレードにPlemium Plusというモデル名があったようです。自分のはSpecからするとこれに該当してますが、PlusとPlemium Plusは違った気がするんだよなぁ。。。もう覚えてません(笑)。
この頃のClassicは今評判いいみたいですね。でも当時の扱いは別に普通だったと思いますけどね。むしろネックのセット方法はディープジョイントが正しいとか言い始めて、そうでない標準モデルは「本物にあらず」ぐらいの扱いだったと記憶してますが、それこそネットのない時代ですから、単にマサトミの印象だけかもしれません。
それでこのClassicの音ですが、ピックアップが支配的です。これは買った時からまぁそのうち変えてみようかなと思ってました。
ちょっと端折って取り出したピックアップです。左がフロント用496R、右がリア用500Tのはず。Gibsonピックアップで最も高出力ハイゲインモデルです。所謂「ドンシャリ」の元気よすぎな音です。モデルはClassicですが、音は全然Classicではない不思議。むしろモダンで、これはこれで悪くはないのですが、かなり歪ませてメタル/ハードロックに向いてそうな音だと思います。マサトミはその辺りスルーの方向でしたので(笑)、もうちょっと、ヴィンテージ寄りのクランチぐらいでカッコいい音が出るぐらいが好みですね。
では構造を見ていきましょう。
表面の紙テープを外したところです。左の496Rは標準的な構造ですね。外側の高さ合わせ用スペーサーは木製、ネジが切ってあるポールピースの下には金属製のスペーサーがあります。真ん中のマグネット→金属製スペーサー→ポールピースという風に磁力が伝わってるようです。
これに対して、右の500Tはそもそもマグネットが少し厚いですね。ポールピース下の金属製スペーサー無し、そしてなんと外側のスペーサー、これ磁石です。もういかにもハイパワーな構成です。
裏側です。Gibson USAの型押しがあります。Braided Wire が良さげですね。
フロント用496Rは8.7kΩ、抵抗値(巻き数)ちょっと高め。
リア用500Tは15.5kΩ、これは凄く高いですね。
ピックアップそのものを変える前に、ちょっとやってみたい事があります。そう、マグネットの交換です。これらのピックアップのマグネットはセラミックです。Filter Tron と同じくアルニコにしてみたらどうなるのか、試してみましょう。実験は500Tで行います。
★Gibson 500T改造★
前後しますが、元々保護用の紙テープが巻かれています。
紙テープごとロウ浸けされているので、ちょっと剥がしにくいですが、剥がすとこんな感じ。
取り出したマグネットです。長さは60mmぐらい。
厚さは5mmぐらい。 通常 3mmぐらいです。Filter Tron 用が6mmぐらいでしたのでそれよりは少し薄いですね。
外側の高さ合わせを兼ねたマグネットも外します。写真にはあまり写ってないですが、極性判別用 にマジックでマーキングしてから外してます。
今回の交換用マグネットはFilter Tron 改造の時の中華マグネットではなく、もう少し出所の確かな物にしました。
MONTREUX/ Rough Cast Alnico 2 Magnet for HB
このシリーズは他にAlnico 3、4、5もあります。ちなみに5も購入しました。
実物です。説明にロングと書かれている通り、ちょっと長いんですね。
長さは63〜64mmぐらい。
Filter Tronの時、こちらも考えたのですが、構造的にこの3〜4mm長いところが致命的で入らないので、諦めて中華マグネットにしました。 削れないですしね、磁石。
極性を確認して、アルニコマグネットを挿入します。
こんな感じ。スペーサーは適当な物が見当たらず、アルニコマグネットのみで組みます。
リア(ブリッジ)側に仮止めして、音出ししてみます。
。。。この改造は構造に無理がありすぎと感じていて、途中からあまり期待してませんでした。
この時の旧FT改と同じくやっぱりパキパキになりますね。しかも旧FT改はまだ「アリかも」と思わせるところがありましたが、今回はちょっと無理があると思うほどのパキパキさです。使う場面が見当たらない感じですかね。
入れなかった金属製スペーサーを何かしら入れられればまた変わるかもしれませんが、まぁ素直にピックアップそのものを交換することにします。
★交換用ピックアップ選定 Epiphone Alnico Classic Pro★
問題はピックアップを何に交換するかです。順当に考えればGIBSON/57CLASSIC でしょうね。
20年以上前にGibsonが出したPAFレプリカとして当時から人気がありました。今となってはより再現性の高いモデルもありますが、当時の憧れもあり一度は使ってみたいと思わせるものがあります。
まあ無難なのですが、ちょっと気になるピックアップが。「Epiphone Alnico Classic Pro」です。イケベ楽器さんのwebが分かりやすいです。
この情報が確かならば
・Gibsonと同じ合金
・Gibsonと同じマグネットワイヤー
ということになります。マグネット自体やコイル巻き機(?)は違うので、まったく同じということはないでしょうが、かなり近い音になりそうです。
You Tubeで57Classicとの比較動画を見ることもできます。聴き比べると傾向はやっぱり似てます。じゃあ同じかというと、やっぱり違いはあります。ただ、どっちがいいというような違いではないと感じます。
しかも、というかこれが大事なんですが(笑)、Gibson製に比べると、ものすごく安価にヤフオクやメルカリで入手可能です。
ま、人柱も兼ねて試してみましょう。
。。。
はい、時を進めて、Epiphone Alnico Classic Pro(以下EACP)です。
見た目はさほど安っぽさは感じません。ベースプレートにはEpiphoneの型押しもあります。 接続はコネクタなんですね。これは安価なEpiphoneギター用だからでしょう。電装系は取り付けながら半田付けするのではなく、ユニットごとに完成品を組み込んで、コネクタを接続して完成と。更に4芯配線で、ボリュームのところでタップできるようになってます。ただ、この仕組みはGibsonにもあった気が。。。
さて例によって構造の確認です
カバーを外します。
今回も半田ゴテで半田を溶かすことを試みましたが、このピックアップ、ロウ浸けのロウの量が半端ないです。も〜溶ける、溶ける。このあとの工程も常にロウとの戦いです。
カバーが外れました。内側にロウが見えます。しっかりロウ浸けしてるところも売りなんでしょうね。
期待通り、本家Gibsonと同じ構造です。496Rと比較してみましょう。
左が496R、右がEACPです。
木製スペーサーまで再現されています。期待できそうです。何故か足はGibsonの方が長いですね。ボディ直付けを想定するかしないかでしょうか?
今回のテストは比較用にピックアップをもう一つ用意しました。
前回記事でテレキャスターから外したGibson 490Rです。ゼブラは特に拘ったわけではなく、売っていたのがたまたまゼブラだっただけです。この3機種を使ってフロントピックアップで比較します。
上の496R抵抗値は7.8kΩ。ただこの記事の上の方でデジタルテスターで測った時は8.7kΩでした。まぁ目安ということで。
上の490Rは7kΩ。
上のEACPも7kΩ。標準的な値です。
★Pick Up Select System★
今回もお馴染みワニ口クリップを使用しました。
出力ジャックへの接続にワニ口 クリップを半田付けします。ボリュームもトーンも効きませんが、まぁ比較ですから。
EACPは4芯です。配線は白:タップ、緑:タップ、赤:ホット、黒:グラウンド/シールド。ハムバッカーとして動作させるには白緑シュートして赤黒で出力ですね。
コネクタは使えないので、潔くカットしました。
それでは各ピックアップの比較です。弦をゆるめてピックアップ交換を繰り返しますので、ポールピースでキズをつけないように、ボディは入念にマスキングしてます。 ラッカー塗装なので、こういう時に気を使いますね。
上は496Rです。元々のピックアップですので確認ですね。よく言えばパワフル、悪く言えばブーミーです。高音よりも低音側のブーミーさが気になるところ。 やっぱりこれは無いかな。
上は490Rです。ん〜、まぁこれでもいいんですけどね。好みのヴィンテージ+ちょっと元気を狙うと、丁度これぐらいの標準的な音になると思います。ちなみに比較をフロントにしたのは、作業のし易さと、これとの比較がしたかったからです。
これにする場合、ブリッジ側をどうするか悩ましくなるところです。ピックアップカバーは最終的に付けようと思ってますが、無しでゼブラも粋かも(笑)。
上はEACPです。ああ、なるほど、比較的タイトな音になりました。 これも悪く無いですね。ヴィンテージ寄りを狙うなら、これでしょう。57Classicと同じかと聞かれると、わかりません。何しろ持ってないですからね(笑)。低音は期待通りタイト、高音(1、2弦)は何というかチャキっとした感じで、低出力ピックアップならではの音なのでしょうね。地味といえば地味かもしれませんが、少なくとも何かここがちょっと、みたいな感じはしないですし、安っぽさも感じません。
ブリッジ側も気になりますので、EACPで本格的に組み込んでみることにします。同時にピックアップ以外にも弄りたいところがありますので、最終的にどうなるのかちょっと楽しみです。
では続きは次回。結構弄ります。
※ご紹介したギターの改造はなんらお勧めするものではありません。ご自身のギターの改造はくれぐれも自己責任でお願いいたします。