Gibson Les Paul Classic Plus Pick Up Rhapsodyたびたび
マサトミです。Pick Upネタ3回目ですね。3回といえば、三部作。映画だとスターウォーズやバックトゥザフューチャー、インディジョーンズ、マトリックスとヒット作も多いですね。結構見てます。世代でいえば尾道三部作や羊三部作(小説)ですかね。サブタイトル「たびたび」の元ネタは時間ですよ(テレビドラマ)ですが、これは単なる続編ですね。ちなみに七瀬シリーズは読んでないです。何の話をしているのかよく判らなくなったところで始めましょう。
今回からGibson Les Paul Classic Plus(1999年製)の紹介です。ブログの初回記事でちょっと触れましたが
20年ほど前、ギターを弾かなくなる前に最後に買ったギターです。レスポールで出したい音があったわけではないのですが、エレキギターの王様「Gibson Les Paul」を所有してみたかったんですね。最初はTokaiも検討してたんですが「そんなもん、いずれGibsonが欲しくなるだけだろーが!」という相方の優しいツッコミと、たまたま出会えたこのギターを気に入って購入しました。塗装か何かにエラーがあるらしくOutlet扱いになっていて、ちょびっとだけ安かったと記憶。いまだにどこが悪いのかわかりませんが。
改めてGibson Les Paul Classic Plus(1999年製Translucent Amber)です。このギターも虎目が美しいです。レスポールはトップ板厚があるので、杢に深みを感じます。左側にフレームが強く出ていて、右側も同じくらいならなお良かったのですが、お店の人に「そしたらヒスコレになっちゃう」と言われたような記憶が。
当時のレスポールの標準的なモデルと代表的なSpecは
「Les Paul Standard」標準ネック、クロームパーツ、ピックアップは490R/498T
「Les Paul Classic」スリムテーパーネック、ニッケルパーツ、ピックアップは496R/500T
こうで、Classicは標準モデルのひとつでした。で、虎目入りがPlusで、ピックガードは付属品になっていて、取り付け用ネジ穴も開いてないです。ピックガードつけたい人は自分で開けるみたいですが、これ開ける人いるんですかね?
ちなみに上位グレードにPlemium Plusというモデル名があったようです。自分のはSpecからするとこれに該当してますが、PlusとPlemium Plusは違った気がするんだよなぁ。。。もう覚えてません(笑)。
この頃のClassicは今評判いいみたいですね。でも当時の扱いは別に普通だったと思いますけどね。むしろネックのセット方法はディープジョイントが正しいとか言い始めて、そうでない標準モデルは「本物にあらず」ぐらいの扱いだったと記憶してますが、それこそネットのない時代ですから、単にマサトミの印象だけかもしれません。
それでこのClassicの音ですが、ピックアップが支配的です。これは買った時からまぁそのうち変えてみようかなと思ってました。
ちょっと端折って取り出したピックアップです。左がフロント用496R、右がリア用500Tのはず。Gibsonピックアップで最も高出力ハイゲインモデルです。所謂「ドンシャリ」の元気よすぎな音です。モデルはClassicですが、音は全然Classicではない不思議。むしろモダンで、これはこれで悪くはないのですが、かなり歪ませてメタル/ハードロックに向いてそうな音だと思います。マサトミはその辺りスルーの方向でしたので(笑)、もうちょっと、ヴィンテージ寄りのクランチぐらいでカッコいい音が出るぐらいが好みですね。
では構造を見ていきましょう。
表面の紙テープを外したところです。左の496Rは標準的な構造ですね。外側の高さ合わせ用スペーサーは木製、ネジが切ってあるポールピースの下には金属製のスペーサーがあります。真ん中のマグネット→金属製スペーサー→ポールピースという風に磁力が伝わってるようです。
これに対して、右の500Tはそもそもマグネットが少し厚いですね。ポールピース下の金属製スペーサー無し、そしてなんと外側のスペーサー、これ磁石です。もういかにもハイパワーな構成です。
裏側です。Gibson USAの型押しがあります。Braided Wire が良さげですね。
フロント用496Rは8.7kΩ、抵抗値(巻き数)ちょっと高め。
リア用500Tは15.5kΩ、これは凄く高いですね。
ピックアップそのものを変える前に、ちょっとやってみたい事があります。そう、マグネットの交換です。これらのピックアップのマグネットはセラミックです。Filter Tron と同じくアルニコにしてみたらどうなるのか、試してみましょう。実験は500Tで行います。
★Gibson 500T改造★
前後しますが、元々保護用の紙テープが巻かれています。
紙テープごとロウ浸けされているので、ちょっと剥がしにくいですが、剥がすとこんな感じ。
取り出したマグネットです。長さは60mmぐらい。
厚さは5mmぐらい。 通常 3mmぐらいです。Filter Tron 用が6mmぐらいでしたのでそれよりは少し薄いですね。
外側の高さ合わせを兼ねたマグネットも外します。写真にはあまり写ってないですが、極性判別用 にマジックでマーキングしてから外してます。
今回の交換用マグネットはFilter Tron 改造の時の中華マグネットではなく、もう少し出所の確かな物にしました。
MONTREUX/ Rough Cast Alnico 2 Magnet for HB
このシリーズは他にAlnico 3、4、5もあります。ちなみに5も購入しました。
実物です。説明にロングと書かれている通り、ちょっと長いんですね。
長さは63〜64mmぐらい。
Filter Tronの時、こちらも考えたのですが、構造的にこの3〜4mm長いところが致命的で入らないので、諦めて中華マグネットにしました。 削れないですしね、磁石。
極性を確認して、アルニコマグネットを挿入します。
こんな感じ。スペーサーは適当な物が見当たらず、アルニコマグネットのみで組みます。
リア(ブリッジ)側に仮止めして、音出ししてみます。
。。。この改造は構造に無理がありすぎと感じていて、途中からあまり期待してませんでした。
この時の旧FT改と同じくやっぱりパキパキになりますね。しかも旧FT改はまだ「アリかも」と思わせるところがありましたが、今回はちょっと無理があると思うほどのパキパキさです。使う場面が見当たらない感じですかね。
入れなかった金属製スペーサーを何かしら入れられればまた変わるかもしれませんが、まぁ素直にピックアップそのものを交換することにします。
★交換用ピックアップ選定 Epiphone Alnico Classic Pro★
問題はピックアップを何に交換するかです。順当に考えればGIBSON/57CLASSIC でしょうね。
20年以上前にGibsonが出したPAFレプリカとして当時から人気がありました。今となってはより再現性の高いモデルもありますが、当時の憧れもあり一度は使ってみたいと思わせるものがあります。
まあ無難なのですが、ちょっと気になるピックアップが。「Epiphone Alnico Classic Pro」です。イケベ楽器さんのwebが分かりやすいです。
この情報が確かならば
・Gibsonと同じ合金
・Gibsonと同じマグネットワイヤー
ということになります。マグネット自体やコイル巻き機(?)は違うので、まったく同じということはないでしょうが、かなり近い音になりそうです。
You Tubeで57Classicとの比較動画を見ることもできます。聴き比べると傾向はやっぱり似てます。じゃあ同じかというと、やっぱり違いはあります。ただ、どっちがいいというような違いではないと感じます。
しかも、というかこれが大事なんですが(笑)、Gibson製に比べると、ものすごく安価にヤフオクやメルカリで入手可能です。
ま、人柱も兼ねて試してみましょう。
。。。
はい、時を進めて、Epiphone Alnico Classic Pro(以下EACP)です。
見た目はさほど安っぽさは感じません。ベースプレートにはEpiphoneの型押しもあります。 接続はコネクタなんですね。これは安価なEpiphoneギター用だからでしょう。電装系は取り付けながら半田付けするのではなく、ユニットごとに完成品を組み込んで、コネクタを接続して完成と。更に4芯配線で、ボリュームのところでタップできるようになってます。ただ、この仕組みはGibsonにもあった気が。。。
さて例によって構造の確認です
カバーを外します。
今回も半田ゴテで半田を溶かすことを試みましたが、このピックアップ、ロウ浸けのロウの量が半端ないです。も〜溶ける、溶ける。このあとの工程も常にロウとの戦いです。
カバーが外れました。内側にロウが見えます。しっかりロウ浸けしてるところも売りなんでしょうね。
期待通り、本家Gibsonと同じ構造です。496Rと比較してみましょう。
左が496R、右がEACPです。
木製スペーサーまで再現されています。期待できそうです。何故か足はGibsonの方が長いですね。ボディ直付けを想定するかしないかでしょうか?
今回のテストは比較用にピックアップをもう一つ用意しました。
前回記事でテレキャスターから外したGibson 490Rです。ゼブラは特に拘ったわけではなく、売っていたのがたまたまゼブラだっただけです。この3機種を使ってフロントピックアップで比較します。
上の496R抵抗値は7.8kΩ。ただこの記事の上の方でデジタルテスターで測った時は8.7kΩでした。まぁ目安ということで。
上の490Rは7kΩ。
上のEACPも7kΩ。標準的な値です。
★Pick Up Select System★
今回もお馴染みワニ口クリップを使用しました。
出力ジャックへの接続にワニ口 クリップを半田付けします。ボリュームもトーンも効きませんが、まぁ比較ですから。
EACPは4芯です。配線は白:タップ、緑:タップ、赤:ホット、黒:グラウンド/シールド。ハムバッカーとして動作させるには白緑シュートして赤黒で出力ですね。
コネクタは使えないので、潔くカットしました。
それでは各ピックアップの比較です。弦をゆるめてピックアップ交換を繰り返しますので、ポールピースでキズをつけないように、ボディは入念にマスキングしてます。 ラッカー塗装なので、こういう時に気を使いますね。
上は496Rです。元々のピックアップですので確認ですね。よく言えばパワフル、悪く言えばブーミーです。高音よりも低音側のブーミーさが気になるところ。 やっぱりこれは無いかな。
上は490Rです。ん〜、まぁこれでもいいんですけどね。好みのヴィンテージ+ちょっと元気を狙うと、丁度これぐらいの標準的な音になると思います。ちなみに比較をフロントにしたのは、作業のし易さと、これとの比較がしたかったからです。
これにする場合、ブリッジ側をどうするか悩ましくなるところです。ピックアップカバーは最終的に付けようと思ってますが、無しでゼブラも粋かも(笑)。
上はEACPです。ああ、なるほど、比較的タイトな音になりました。 これも悪く無いですね。ヴィンテージ寄りを狙うなら、これでしょう。57Classicと同じかと聞かれると、わかりません。何しろ持ってないですからね(笑)。低音は期待通りタイト、高音(1、2弦)は何というかチャキっとした感じで、低出力ピックアップならではの音なのでしょうね。地味といえば地味かもしれませんが、少なくとも何かここがちょっと、みたいな感じはしないですし、安っぽさも感じません。
ブリッジ側も気になりますので、EACPで本格的に組み込んでみることにします。同時にピックアップ以外にも弄りたいところがありますので、最終的にどうなるのかちょっと楽しみです。
では続きは次回。結構弄ります。
※ご紹介したギターの改造はなんらお勧めするものではありません。ご自身のギターの改造はくれぐれも自己責任でお願いいたします。