Gretsch 6120SSU Pick Up Rhapsodyふたたび
<知ってましたか?> Rhapsody(ラプソディー)って日本語だと「狂詩曲」何ですって。音の響きだと「鎮魂歌」のようなイメージですが、こちらはRequiem(レクイエム)ですね。サブタイトルですか?100%語呂合わせでした。マサトミです。
さあ、それでは2003年頃までの初期型6120SSUに実装された「Original FilterTron Vintage Alnico Pickups」(以下VA FT)、と現行の「High Sensitive FilterTron」(以下HS FT)を比較していきましょう。
外したVA FTです。では順番に。
VA FTを取り外していきます。中古購入した時から、エスカッションにヒビが入ってました。新品に交換しようかな。
外してみ。。。。ん、ん〜???こいつもベースプレートがカットしてある。なんで?
ちなみにピックアップ高さ調整は相変わらずスポンジです。ちょっと大きめに見えますね。
取り外しました。左から旧FT、VA FT、HS FTです。HS FTは、よ〜く見るとパテント刻印の型(?)がちょっと違うようです。
VA FTのカバーとポールピースは旧FTと同じです。
VA FTはベースプレートをカットして内部に食い込んでいます。HS FTも同様ですが、こちらはカバーの高さを変えたからと推測。VA FTは内部構造を変えているようです。
カバーを外しました。
❗️❗️❗️なんと!マグネットが薄い!〜のは想定内ですが、高さ合わせ方法が斬新です!マグネット両側、コイル下のスペーサを低くしてあります。以前の記事に書いた旧FT改の時、これは思いつきませんでした。
左が旧FT、右がVA FTです。スペーサーは白から黒に色も変えてますね。
抵抗値を測ります。
上は旧FTです。7.7kΩ。これはもう何度目かですね。
上はVA FTです。4.1kΩ。リア(ブリッジ)側です。かなり低いですね。
上はVA FTのフロント(ネック)です。4.1kΩ。さらに低いですが誤差範囲かも。
上はHS FTです。4.6kΩ。
VA FTの思想がなんとなくわかってきました。
・マグネットはアルニコに変えて、抵抗値(コイル巻き数)を下げて、ヴィンテージのFTの仕様に近づける。
・何らかの事情で同じ形状のアルニコマグネットは準備出来ず、ハムバッカー用のマグネットを使うことに。この時、これも製造上の都合かマグネット両側のスペーサーを低くすることに。
・内部が薄い構造になってしまったため、上面を合わせるためにベースプレートの形状を変えて、カバー内部に食い込ませることにした。
・6120ー60など旧モデルではベースプレートで面でスポンジを受けてましたが、カバーの淵で受けることになったため(とも言い切れませんが)、スポンジをやや厚めにした。
1本だけの改造ならともかく、製品なので生産性も考慮した結果でしょう。ただスペーサーの件はちょっと不思議です。手前味噌ですが、旧FT改と同じ手法でも手間はそんなに変わらないと思います。ちなみにフロント用も同じ構造です。
「何故こうなったか」はともかく、目指す音と手法は旧FT改と同じですね。なんだかちょっと嬉しいですね。流石に巻き数減らすというのは実験できませんでしたが。
それではVA FTとHS FTをリア側で比較します。 ピックアップの比較といえばこれ!
★Pick Up Select System★
えぇ、ワニ口クリップです(笑)。2度目の登場ですね。リア側ボリュームを引っ張り出して、ワニ口クリップを半田付けして、これに各ピックアップの配線を繋ぎます。これはピックアップを何度か交換するためです。こういうAB比較ってやつはA→Bのあとは必ずもう一度Aに戻らないといけません。変化した=良くなった、と思いがちですからね。
ピックアップそのものもマスキングテープで仮止めです。
★VA FTとHS FTの比較。
どちらの音も既に聴いてるわけですからほぼ確認作業ですね。HS FTと比較すると、ウォーム、スイートな音のイメージはやっぱりVA FTによるものと思います。より大人しい音というか。
VA FTについては細かなメーカー公式解説がほぼありません。知る限り「マグネットをアルニコにした」だけのはず。ちなみにこの後発売の6120SHは「コイルワイヤーをUSA製にした」だったはず(笑)。マグネットがどっちかも不明。カタログ表記は
標準:Original Filter Tron Pickups
SSU:Original Filter Tron Vintage Alnico Pickups
SH :Vintage Filter Tron Pickups
そして解説なし。これはわかんないですね(笑)。
レビュー記事もあまり見かけません。それこそ20年以上前の物ですし、TV jonesもありますからね、需要がないのでしょう。散見される数少ない情報でも「いい評判を聞かない」とか「最もヴィンテージFTに近い」とか、まちまちで定説がない感じ。だからこそ真実を求めて(笑)、興味を惹かれたわけですが。
マサトミ的には前回の6120SSU記事の通り「いい感じ」です。ヴィンテージよりにするならばアリですね。バンドで弾いた時の大音量での音抜けとか、判断のしようがありませんが、自宅機材の範囲では、このままでも満足度高いのではないでしょうか。
で、マサトミの6120SSUはというと、HS FTに換装します!気に入ってますし、オークションとはいえ購入しましたからね!もったいないじゃないですか!
。。。「結局戻す」というありがちな未来も見えますので、VA FTは大事に保管します。6120ー60は比較のために元に戻すことにします。
6120-60と同じようにHOT ROD配線でHS FTを実装します。このまま続けようかと写真を見直したら、結構あるので、この記事はここで終わりにします。
それではまた次回。