オレギ。

オレのギターを弄るブログ。

Gretsch 6120SSU 恋はいつでもハリケーン!

東の海にはこんな諺があるそうですね「恋はいつでもハリケーン!」。。。すいません、漫画ONE PIECEのパクリネタです。面白いですよね、ONE PIECE。未来にこの記事を読む人のために書くと、今はワノ国で鬼ヶ島にのりこんだあたりです。ずっとリアルタイムで読んでますが、そろそろエンディングが読みたいです、尾田先生。マサトミです。

 
やっちまいました。。。また性懲りも無くGretschを買ってしまいました。

6120SSU(2001年製)です。

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「SSU」というのは「Setzer  Signature Urethane(ウレタン)」です。中古を検索すると93年製がヒットするので、93年生産開始だと思います。所有の6120ー60が92年製なので次の年ですね。

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この頃SetzerさんはThe Brian Setzer Orchestraを始めた頃ですね。上の写真のファーストアルバム(1994年)裏面にも6120SSUが写っています。インタビューでこれをメインに使用したとコメントしてましたが、本当でしょうか?外人さんはリップサービスが得意なので、この手の発言は鵜呑みにできません(笑)。

6120SSUはつい最近廃盤になるまで、少しずつ仕様を変更しながら生産されていました。他にもSSL、SSLVO、SHなど、Setzerモデルは全般気になっていましたが、単純に高いのでおいそれとは購入できません。また、価格もさることながら、それに加えて気になっていたのは色です。

6120ー60の紹介にも書きましたが、色は6120ー60のWestern Maple Stainがマサトミ的には最高です。で、SSUやSSLは濃い色なんですね。上のCD裏写真のイメージです。VOは「Vintage Orange」ちょっと渋めの色でこれもアリですが、もっと高い(笑)。

虎目も大好きですね。なので「虎目で黄色っぽいオレンジ」が理想なのですが、あんまり無いんだこれが(笑)。なんでですかね?Gretschさん。一番人気だと思うんですけど。

さて、6120ー60はこれ以上何をやってみるか、いっそ現行モデル含む別の6120に移行するか、ぼんやり考えていました。いつも通りギターの通販サイトを眺めていたら、目に止まったのがこちらの写真。

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 ※すいません、転載させてもらいました。問題あれば削除します。

これ、ちょっと薄い色に見えませんか!?6120のオレンジは中間色なので、写真写りや光の当たり方によってそう見えるだけかもしれません。でも、20年前の生産品なので個体差や、何かの理由で色の薄い個体があったのかも、というミラクルの可能性でもう頭の中はお花畑です(笑)。いや、まあ電話で聞けば済む話しなんですけどね。

販売価格が同モデルとしては安価でしたので、再販もありの前提なら。。それにこの初期型SSUはちょっと気になるポイントがあり。。なんてことを己に言い訳しつつ。。着いてからのお楽しみもまた一興。。ん〜、ん〜、ん〜、ポチっと。

 

時を進めて、到着です。いや、実際は結構待ちましたよ。

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ケースは標準ケースでした。6120SSUの初期は白ケースで、このモデル専用ストラップやステッカーが付いていたと思いますが、途中でやめたのでしょうか。レア品なので、以前の持ち主様が手元に残した可能性もありますが、どちらにしても自分にとっては、重要ではありません。あれば嬉しいですが、なければ無いで、その分安価な方がいいですね。

さあ、問題はこのケースを開けた瞬間、目に飛び込んでくる色です。勝負は一瞬ですね!
ガチャ(ケースの金具を開ける音)

 

 

 

 

 

 

 

ガチャ(ドキドキ)

 

 

 

 

 

 

 

ガチャ(祈る!けど、期待しすぎちゃいけないと自らに言い聞かせ。。)

 

 

 

 

 

 

 

ガチャ、バカッ!

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濃い!!!あちゃぁ。。。濃いよ。。。イメージと違わぬ濃い色でした。ワンチャンあるかもと思ってましたが、そうそうミラクルは起きません。いや、わかってましたよ、わかってましたとも、大人ですから。。。

ちなみに先程から「濃い色」「濃い色」と書いてますが、カラー名が時期によってまちまちで、正式名称がよくわかりません。Orange Stainですかね!まぁどーでもいいんですけどね!

 

。。。さて、気を取り直して、極めて通常カラーのGretsch  6120SSUです。

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 美しい虎目。第一印象はもうこれに尽きますね。美しい。。。

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 2001年製です。

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 ちょっと角度を変えて。

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写真ではわかりにくいですが、角度を変えると虎目の見え方も変わります。この木目が変化する感じがとても好きです。フレイムメイプルといってもGretschは合板なので、 表層の薄〜い一枚がフレイムメイプルなだけです。角度による木目の変化は板厚がないと出ないので、どの角度から見ても同じなのではと実物を見るまで心配してましたが、大丈夫、素敵です。

色も写真と実物では違いますね。持ってる方はわかると思いますが、オレンジと朱色と黄色の中間色のような色で、結構深みがあります。ちょっと好きになってきました。。。ひょっとしてこれが恋?

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 裏面も虎目。

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美しい。ずっと見ていられますね。 

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ヘッドです。ヴィンテージ風の「もっと濃い色」ですね。ペグはシュパーゼルのロックペグ、ゼロフレットなし、ナットは。。。これなんでしょうね。現行は白のデルリンですが黒の滑りの良い材質のものでしょう。初期型はこの黒ナットです。

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ブリッジはTune-O-Maticタイプですね。コマ落ち防止ワイヤなしタイプ。 現行よりちょっと大きいですね。右下コントロールノブはダイスノブがついてましたが、通常品に交換してます。市販時はどちらのノブも付属品ですが、中古なので通常品の紛失を心配してましたが、大丈夫でした。

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側面も虎目が入っています。

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重さは3.4kg。6120ー60が3.6kgなので、ちょっと軽いです。6120ー60に比べて、持った時の感触では明かに「軽い!」と感じます。後述しますが、板厚がちょっとだけ薄いんですね。現行は3.3kgぐらいで、もっと軽いようです。現行はトレッスルブレーシングですが、それでも軽いということは板厚がさらに薄いからだと思います。

 

★6120SSUのファーストインプレッション

何はともあれ弾いてみましょう。ジャカジャーンと。。。。

 

 

 

 

 

 

 

これは!?。。。

 

 

 

 

 

 

 

これは!?。。。かなりいい感じです!!!
「いい感じ!じゃわかんねーよ!」というツッコミが聞こえてきそうですが、まず事前知識からの想像では。。。

・この時期のブレーシングはトレッスルではなく6120ー60と同じパラレルなので生音は6120ー60と大差無いのではないか。

・ピックアップはまだTV Jonesではないので、以下同文。

・ただFilterTronはこのモデルは確かアルニコのはず。カタログ名は「Original FilterTron Vintage Alnico Pickups」。その音は?

・細いと言われるネックは弾きやすくなることに大いに期待。

こんな感じの予想で、6120ー60からの引き継ぎ改造ベース2号機ぐらいに思ってました。

ですが良い意味で期待は裏切られました。

生音では。。。

・ネックは細いです。かなり好みの細さでしっくりきます!また、弾きやすさに加えて、「ネックが鳴っている」感じがします。弾いている時の感覚として、この違いは大きいと思います。

・ボディからの響きも違います。ボディの板厚(合板の板厚です。ボディ厚みではありません。)はその昔Setzerさんが薄くしたと言ってました。ぱっと見はわからないぐらいの変化ですが、確かに箱鳴りに加えて、トップ板も鳴っている感じがします。

・結果どうなるかというと、箱鳴りを除けばより普通のエレキギターの感触に近くなった感じです。比較すると6120ー60はそのガッチリした構造から箱鳴りがメインで、いかにも「フルアコ」な感じですが、ネックやトップ板はあまり鳴ってない気がします。ただしエレキギターだと、これはどっちがいいとは一概に言えないと思います。

エレキ音は。。。

Gretschな音がします!!これは嬉しいですね!!2003年のFenderとの経営統合前のFilterTronはパワフルな音で、Gretschな音とは少し違うのですが、このFilterTronはGretschな音です。中どうなってるんでしょうか?TV Jones登場前に一部モデルのみ採用のはずなのでレアですね。初期型SSUで気になっていたのはこれです。

・生音の「エレキギターっぽい」というのはエレキ音にも通じます。6120ー60は極端に言えば箱鳴りの少ないアコギにピックアップをつけたような感じですが、6120SSUはエレキギターな感じがします。不思議といえば不思議な。「これトレッスルいる?」というのが率直な感想です。

・ただSetzerさんの音を目指してセッティングしていくと、ちょっと甘いというかウォームというか。これはピックアップのせいか、構造のせいか、判別つかないですね。もしかしてだけど、だからトレッスルか?

 

生音、エレキ音全体のバランスが「いい感じ」なんですね。かなり気に入ってます。もう色々と目から鱗というか、瓢箪から駒というか。うまく表現できませんが、構造が、とかピックアップが、ではなく、ギターとして「ああ、こういうことか」と。。。

Setzerモデル全般この後何度かモデルチェンジして2015年頃のモデルでSetzerさんに「新品でもケースから出せばすぐに欲しい音が出る」と言わせるほどの完成度になるのですが、初期型はそこまでではなく、「ちょっとできる範囲で要望取り入れてみました」ぐらいだと思ってました。でもこれSetzer Signatureとして当時なりの完成度の高さだと思います。実際Setzerさんも使ってましたし。

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改めて The Brian Setzer Orchestraのファーストアルバムを聞き直してみます。Setzerさんは 6120SSUと、同時期のもう一つのSetzer Signatureモデル6040MC-SS、ヴィンテージのWhite  Falconを使用したとコメントしてます。6曲目「Brand New Cadillac 」あたりのRockabilly色の強い曲は、6120SSUかもしれませんね。Setzerさんのいつもの音よりもちょっと甘めな気がします。まぁセッティングによるかもしれませんが。。。

ちなみに「Stray Cat Strut」は違う気がしますね。これがWhite Falconではないでしょうか?

また、You Tubeで6120SSUを弾いているところを見ることができます。

https://www.youtube.com/watch?v=_JX-adpGqt4

https://www.youtube.com/watch?v=Bl5vHqcZeno

これは番組側で機材を用意したかもしれません。音の感じからアンプとエコーはいつもとは違う物だと思います。ね、ちょっと甘い音ですよね? 

さて、カタログスペック上の6120SSUの特徴は割愛(Webに結構情報ありますからね)、せっかくなので6120ー60との違いについて記載していこうかと。

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 ボディシェイプはかなり近いですね。ぱっと見は同じに見えます。

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カッタウェイが6120SSUの方がほんの少し深く、肩の形が少し立ってます。これに合わせてボリューム位置が少し上になってます。バインディングの内側の黒ラインが無くなってます。

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fホールは6120SSUのほうが少し狭いです。

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ボディ厚さは6120SSUのほうが5mm程度厚い。

これまで「色最高! 」と言い続けてきた6120ー60ですが、気になる部分も当然あります。ここがちょっと、というのはいくつかありますが、特にネックシェイプですね。ガッシリしたネックで、手の小さいマサトミにはちょっと弾きづらい。

「このギター弾きづらいんだよな〜」とか言いながら爪弾きつつ愛でるのも風情がありますが、まあ、弾きやすいほうがいいでしょう。元々「細い」と言われている6120SSUのネックですが、上手いこと違いが表現できないかと、下の写真を撮ってみました。

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青いのは、マスキングテープです。裏側ヘッドに向かって、ほぼ同じ位置から撮ってます。山なりの違いが分かると思います。

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ハイポジ側です。こちらは違いが大きいですね。特にボディに接してる部分の幅が違うので、6120SSUの方は心許なく見えるほどです。

実際の握った感じは、かなり違います。持っている他のギターは薄いネックが多いので、それらと同等で違和感なし。上の写真で見ると三角が強いように見えますが、それはさほど感じませんね。

 

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リア(ブリッジ)側のピックアップの位置が違い、6120SSUのほうが5mmほどブリッジ側に移動しています。これは理由がわかりませんね。本物の1959年製の位置でしょうかね?

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6120SSUはビグスビーの取り付け角度が浅くなっています。6120SSUのほうが弦のテンションが弱いのですが、このためと思います。(他の要因もあるかもしれません。)

これは良し悪しで、好みもあるので、どちらがいい、ということではないと思います。個体差なのか、意図的なのかはわかりません。

次にボディ板厚の差を掲載したかったのですが。。。

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↑ 6120-60。

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↑ 6120SSU。あんまりわかんないですよね。

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↑ 6120-60のリアピックアップ穴からネック方向。

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↑ 6120SSUの同じアングル。ネックハイポジ下のブロックがかなり大きいです。

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↑ 6120ー60のパラレルブレーシング柱

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↑ 6120SSUの柱です。構造はほぼ一緒ですね。この写真だとトップ板厚はちょっと薄く見えますね。測ってみるとどちらも4mm「ぐらい」です。でもfホールあたりを押してみると、6120はまったく動きませんが、6120SSUは少し動きます。なので、ほんの少し薄くなっているのだと思います。

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↑ ちなみに6120SSUジャック穴から。大好きなアングルです。これも6120-60とほぼ一緒ですね

こんなところでしょうか。リリースでいえば1年違い、ベースは6120ー60だと思うのですが、細かいところが違います。設計はどうやって進めたんでしょうね。その時TV Jonesさんもギターテクとして参加してたのでしょうか?

 

さて、このままでもかなり気に入ってますが、ここで気になるのは、6120ー60にのせたHigh Sensitive Filter TronとOriginal FilterTron Vintage Alnico Pickupsの違いです。

次回は比較してみたいと思います。カバーも脱がせちゃいますよ。楽しみですね、うふふ。(アレ?オレだけ?)